ポラック便り

(10) 2017/01/01 新年のご挨拶

迎 春

鶏鳴と共に新しい年が始まりました。
謹んで皆様のご多幸とご活躍をお祈り申し上げます。

小生の2017年も日仏交流に尽力できる運びとなりました。

光陰矢の如く、日々を送りそうです。
皆様 2017年も小生のコレクション展で時空の旅をして頂ければ幸いでございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

2017年 元旦

(9) 2016/01/01 新年のご挨拶

謹賀新年
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます

昨年は小生にとりまして横須賀美術館にて「横須賀寫眞―エミール・ド・モンゴルフィエ関連資料」の展示を行う事ができ、大変嬉しく思います。
これも偏に皆様のご協力の賜と感謝申し上げます。

そして横須賀製鉄所(造船所)創設150周年記念の「ヴェルニー・小栗祭式典」の前々日 にパリのテロ事件が起き、痛ましい惨事となりました。
この式典において、高円宮妃殿下はじめご列席の方々の弔意を頂き、国籍を越え人々の憂いを感じます。
2015年11月15日、150周年目の式典は皆様の記憶に残る事となるでしょう。

今年は又、日仏交流において偉業を成し遂げながら、歴史上未だそう知られていない人々を新たに浮上させるべく働いて参りたいと思っております。

本年もよろしくお願い申し上げます。

2016年 元旦

(8) 2015/01/01 新年のご挨拶

 迎 春

 謹んで皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

 今年は日仏交流の原点である横須賀製鉄所創設150周年の年となります。
 一口に150年と申しましても、小生のコレクションの当時の写真等を眺めておりますと、 ついこの前のような気が致します。
 この150周年の区切りを機に、一層日仏交流が深交なる事を願うと共に、小生がその架け橋の一助となれば幸いでございます。
 年初めには日仏会館ギャラリーオープン記念と致しまして、1月23日から2月15日まで日仏会館2階ギャラリーにて「漂泊の浮世絵師 ポール・ジャクレー」展が開催されます。この数奇の運命の版画家の世界をご高覧頂ければと思います。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 2015年 元旦

ポール・ジャクレー展 ご案内 PDF ダウンロード (0.3MB)

(7) 2014/08/18 富岡製糸場世界遺産登録に寄せて

本年6月25日、富岡製糸場が世界遺産に登録されました。長年製糸場を守ってきた片倉工業はじめ、岩井賢太郎富岡市長、そして富岡製糸場総合研究センター所長今井幹夫先生やこれまで尽力されてきた方々の御努力が実りましたこと、又、小生もこのことに関わり、世界遺産登録を望んできた1人として大変嬉しく思います。
この富岡製糸場は日仏合作の賜物と申し上げても過言ではないでしょう。
1865年、幕府(勘定奉行小栗上野介)の要請を受け、フランス人技師レオンス・ヴェルニー Leonce Verny が横須賀製鉄所を手がけ、1872年に完成致しました。ここで建築家として協力したエドモン・オーギュスト・バスティアン Edmond Auguste Bastien が富岡でも首長ポール・ブリュナ Paul Brunat のもと、建築に携わります。
横須賀製鉄所でつくられた製鉄は鉄骨として製糸場の建築に使用され、レンガも一部横須賀で作られたものが富岡で使われていたことも近年分かります。製糸場の繰糸器300釜はセルドン Cerdon 村のマン・エ・フィス Main et Fils 社のもので、同社のジュール・シャトロン Jules Chatron 技師がこれを組み立てるために1872年のはじめに来日致します。それに伴い糸を繰る技術もフランスから導入されました。何よりもこれを使う日本の工女の身体に合うよう作られたことは、思慮深い配慮だと思います。勿論工女達は和田英の『富岡日記』(今井幹夫編)に読み解けるように、日本人の資質とも見られる懸命な働きを致します。これはそれぞれの部署で働いた多くの日本の職人達にも当てはまるでしょう。
富岡製糸場で作られた絹は束ねられ、小生が先の神奈川県立歴史博物館においてポラックコレクションでお見せした見事な美しいデザインの商標と共に、横浜港からリヨンに送られました。横浜港無くしてはこの富岡で作られた絹の道は無かったと思います。
こうしてフランスの技術が横須賀・富岡へ、そして横浜、リヨンと絹が渡りました。この点と線で結ばれたものが日本の発展へと繋げられたのです。
先日も富岡製糸場を訪れた小生は、150年前の日仏の合作がここに在ることに改めて感慨を覚えました。この史実のもと、これからの日仏交流が新たに発展、展開することを願って止みません。

(6) 2014/06/28 クリスチャン・ポラックコレクション展「繭と鋼」を終えて

 4月26日から6月22日までの52日間のポラックコレクション展「繭と鋼」が終了致しました。
 明治大学、神奈川県立歴史博物館は言うまでもなく、タイトルの1つ“繭”に関連して拝借を賜りました大日本蚕糸会、シルク博物館、また、会報等を通じてPRして下さった団体、ポスター、チラシを置いて下さいました様々な機関、そして多忙の中、足を運んで下さった大勢の方々、こうした皆様のお蔭で無事終了できました。改めて感謝申し上げます。
  今後、このような機会がございましたら、異なる歴史の顔をお見せしたいと思っております。又、お目にかかれることを願って。
 ありがとうございました。

(5) 2014/06/23 かながわ日仏協会 会長

皆様 日々ご清祥のことと存じます。

この度、かながわ日仏協会より会長職の依頼がございました。
神奈川在住でないことを申し上げたところ、私の横須賀、横浜の今までの功績で十分と言う副会長の説得で、お引き受けすることに致しました。
日仏交流は、私の研究課題でもある幕末、明治から始まっております。人と人、人と書物、人と食、人と芸術等々、多岐にわたり交流致して参りました。この礎の上に、更に皆様と共に交流を発展させて行きたく思います。
共に楽しみましょう。

(4) 2014/04/01 クリスチャン・ポラックコレクション展 「繭と鋼」

冬の眠りから一斉に草木の芽が動き出し、春到来を告げています。日本の美しい春です。

この度、4月26日から6月22日まで神奈川県立歴史博物館で、小生のコレクション展が開かれる運びとなりました。小生が来日してから43年、幕末から明治を中心にずっと蒐集し続けた物で、小生にとっては一つ一つが思い出深く、大切な宝物でございます。それを皆様にお見せしたいと思います。

 中でも、本展タイトルの一つである「繭」では、皇后様が育てていらっしゃる小石丸という繭とそこから紡ぎ出される美しい糸をともにお見せいたしましょう。

 又、この展示されたコレクションの中で、生糸の商標の美しさを是非認識して頂きたく思います。こんなにたくさんご覧頂くのは今回が初めてでございます。

 もう一つのタイトルである「鋼」は横須賀で繰り広げられた製鉄所・造船所です。セピア色の写真からその当時の風景や人々の息遣いを感じていただきたく思います。

 その人々の中にリュドヴィク・サヴァティエがいます。彼は医官として来日しましたが、日本の植物に魅せられフランスに戻って亡くなるまで、幕臣馬場大助(号:資生圃)が描いた百合の絵を手元に置きました。その絵を、この度、サヴァティエの孫にあたるミシェル・サヴァティエからお借りできました。この絵を見ると、サヴァティエが日本の百合に魅せられたことが分かる気が致します。

 このように、幕末から明治にかけての様々な日仏交流の軌跡を来館してご覧になって下さい。そして一歩一歩タイムトンネルに入り、セピア色の世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。

 最後に、この展示されたコレクションの中に、小生が何度眺めて見ても、“人の幸福とはこんなのもではないか”と思うような一枚の写真がございます。そこからは波の音や犬の鳴き声も聞こえてきそうです。穏やかな時の1コマです。どうぞ、それを見つけてそれぞれの想いに浸って頂ければ幸いでございます。

明治大学 クリスチャン・ポラックコレクション
「 繭と鋼  ―神奈川とフランスの交流史― 」
会 期: 2014年4月26日(土)〜6月22日(日)
会 場: 神奈川県立歴史博物館
     (横浜市中区南仲通5−60 TEL:045−201−0926)
[主催] 神奈川県立歴史博物館 / 明治大学

(3) 2014/02/15 パリ講演

 一月中旬、突然宮内庁からの依頼により国際交流基金から電話がありました。内容を伺ったところ、1月9日の新聞に掲載されていた、皇后様が歴代皇后から引き継いだ養蚕と、採れた絹糸で復元された正倉院宝物の錦などを紹介する展覧会「蚕―皇室のご養蚕と古代裂、日仏絹の交流」が2月19日〜4月5日、パリの「パリ日本文化会館」で開催され、その時の講演を2月19日にしてもらいたい、とのことでした。
 想えば、私と絹の日仏交流史の出会いは、30有余年は遡りましょうか。富岡製糸場の今井幹夫場長と共に、日本とフランスの絹の交流を調べ始めました。そして、私の著書『絹と光』が生まれたのです。
 日本の製糸場は富岡から始まりました。明治政府から依頼されたフランス人、ポール・ブリュナの指導の下、マン・エ・フィス社の工房群の中から、事業主シャルル・ウジェーヌ・マンの三百釜の繰糸器を、エシュト・リリアンタール商会へ発注し、この繰糸器が富岡で回ることになりました。
 それを行啓された昭憲皇后は御歌に

いとくるま とくもめくりて 大御代の
  富をたすくる 道ひらけつゝ

以と久留万 登九も免くりて 大御世の
  富越た寿く類 道飛ら希津ゝ

(皇后宮 御詠の文字)

と詠まれていて、まさに日仏両国はこの絹産業で糸車が回るように発展を遂げてゆきました。
 皇室の養蚕は昭憲皇太后から代々伝えられ、今、皇后様が、皇后様の希望で廃棄を免れた「小石丸」という蚕を御自ら育てておられます。
 この天から与えられし、銀の美しい糸を絶やさず未来に繋げられるよう、嘗て富岡で繰り広げられた日仏の交流史を礎に、私は、微力ながら尽力したいと思っております。
 皆様もどうぞ、この美しい日本とフランスの絹にまつわる世界を、4月、神奈川県立歴 史博物館で開催される「クリスチャン・ポラックコレクション」展にてご覧になって下さい。詳しくは、3月に「ポラック便り」でお知らせ致します。

関連資料
マン・エ・フィス社に係る論文

La société Main et Fils, cuivrerie de Cerdon, fournisseur de la Filature de soie de Tomioka
富岡製糸場に繰糸器を供給したセルドン村の銅製品製作所、マン・エ・フィス社

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「蚕KAIKO」のパンフ

Exhibition KAIKO
La Sériciculture Impériale du Japon

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(2) 2014/1/1 新年のごあいさつ

新年を寿ぎ申し上げます
2014年が皆様にとりまして良い年であられますよう願います

2014年 元旦

私事ですが、2014年春、4月26日から6月22日まで私の今まで収集しましたコレクション展を神奈川県立歴史博物館で開催いたします。
今、それに向けてお正月返上で原稿を書いております。

一月と言いますと、フランスでは1月6日エピファニー(公現祭)といって、キリスト誕生後東方よりバルタザール、メルキオール、カスパールの三人の王がベツレヘムにやってきて馬小屋で眠っていたキリストに黄金と没薬と香を捧げ祝った日としています。日本では公現祭といわれ、公にキリストが現れた日といっていいでしょう。

ガレット・デ・ロワ
この日は、ガレット・デ・ロワというお菓子を食べます。
ガレット・デ・ロワは円形のパイ菓子で、その中にフェーブといってソラマメが入っていたり、今では陶器の人形、もしくは王冠が入っています。切り分けた時、そのフェーブが入っていた人が、男性なら王として女王を選び、女性なら女王として王を選ぶことができます。その時、恋の告白に使われることもあるようです。
ちなみに、私の家のペルシャ猫はこのお菓子が好物です。フェーブが入っていたかどうか? 猫に聞いてみなければ分かりません。

この公現祭からフランスの冬はいっそう寒くきびしくなります。
どうぞ皆様風邪などひかれないように過して下さい。

(1) 2013/12/19 フランスのクリスマスと新年

 クリスマスそして新年が近づいてきました。
 フランスでは、クリスマスは日本と少し異なり静かなものです。
 習慣として、クリスマスで用意されるブッシュ・ド・ノエルという薪の形をしたケーキは、父親が作ります。生クリームもありますが、我が家では、焼いたロールケーキの上にバタークリームで薪の形にしました。それをデザートに家族で食べます。
 もちろんシャンゼリゼ通り等のイルミネーションは、絵本の世界のように美しいですが、フランスはほぼカソリック国ですので、0時になると家族そろって教会に行くのが通例です。
 この静かなクリスマスに対し、年越しは友人や知人たちとシャンパンで乾杯し、にぎやかに年を越します。
 どうやら日本の友達とのにぎやかなクリスマス、家族との静かなお正月と逆のようです。
 皆様 よいクリスマスを!
    よいお年をお迎え下さい!

(談)